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2024/05/16 22 : 14
CATEGORY : [メガミド文章]



しっとりした気分です。
その波がこっちに・・・・・。


御堂さん解放後あたり。
眼鏡うじうじ。
相変わらず支離滅裂。

空白の一年、眼鏡が独りで御堂さんに絶対愛を誓ってたらいいなぁとか
思って・・・。


読んでも、いいぞ?な方は続きからどうぞ。
残光






残光



眩しい光が・・・・瞼に張り付いて消えない。

その光に目がくらんで・・・・何も見えない。



自分の部屋に戻ってきた。
少しは部屋に帰っていたが、たいして何をしたという記憶はない。
ただ明け方帰ってきてはシャワーを浴び、着換え、朝食を食べ、
出社する。それだけ。夜は向こうの部屋で過ごしていたからベッド
も久しぶりに見たという状況だ。寝転がることさえ新鮮に感じるだろう。
だが、寝ることはできなかった。沈んだ心が睡眠を求めていない。
ただ、後悔だけが胸に残っていた。
彼を犯したことに後悔はない。だが、自分の気持ちに気付かなかった、その
ことがとても悔しい。

CDトレイからタイトルのないものを取り出す。
あの時の・・・・はじまりの・・・・。
パソコンに入れる・・・・・。

『よせっ!やめろっ!』

最後に・・・一度だけ。
そうすれば・・・忘れるから・・・あなたを消すから。
この想いと一緒に消すから。


最後に・・・一度だけ。




だるい。
色が・・・すべての色が褪せて見える。
白黒の世界。光さえ見えない。
朝なのか。
ソファから身を起こし、目の前のパソコン画面を見つめる。
もう砂嵐になってしまっている。下肢にはべったりと白い残滓。
どうしようもないと一人嗤った。
マウスを動かす。

削除

これで・・・・・あなたは消えた。
本当に・・・さようなら・・・さようなら。
俺が愛した・・・人。




「おはようございます!!」

「ああ、おはよう」

元気な挨拶に気もなく返す。
今日からはMGNに出社する。綺麗なエントランスを過ぎ受付を過ぎ、
エレベーターに乗る。大隈の所に挨拶に行き、これから部下になる
社員のもとで挨拶をした。




「その若さで部長なんてすごいですね」

「・・・・そうでもないだろう」

挨拶を終えると藤田が執務室に案内する、と言ってきた。別に案内されな
くとも、以前から何度も来ていたのだから迷うことなどなかったのだが、断
るのも面倒だった。

「こちらです。・・・・佐伯部長、これからよろしくお願いします!!」

「ああ」

そっけない返事でも、藤田は嫌な顔一つせず、むしろ笑顔で一礼してその場を
去って行った。
前に話したときは、やけに彼を慕って心配していた。もう少し残念な顔をしている
かと思ったが。
ドアノブに手をかけ、あける。


「―――っ!!」




光が・・・・・色が・・・・。

鮮やかな存在感、威圧する雰囲気、鋭い瞳・・・・・。



『私に会いたいというのは』

張りのある艶声。

『君たちか?』

俺が消した・・・・消したはずだった愛しい人。
忘れたはずのあなたへの想いが俺の中に満ちあふれた。




今日一日、何をしていたのか全く思い出せない。
思い出せるのは、あの瞳と、声と、あの体。
会議室ではひどかった。あの場面がまざまざと蘇って思考の邪魔をした。
忘れることができると思っていた。忘れなくてはいけないんだと思っていた。
でも、結局消すことはできなかった。
消すことなんて、最初からできるはずがなかったんだ。
何故なら俺は忘れたくないし、消したくない。
あなたは俺を憎んでも、俺はあなたが・・・そんなあなたでもこんなに愛しい。



彼と別れる際の記憶が頭に浮かぶ。

あなたの心が欲しかった。
あなたが今までしつこく聞いてきた問いの答え。
あの状態じゃ、伝わってはいないだろうが。




「御堂・・・・」



解ってほしいなんて一度も思わなかったけれど

あなたに会ったあの日のことだけ忘れられない


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2009/03/15 22 : 54
こめんと [ 0 ]とらっくばっく [ ]
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